Coursera Plusに入って後悔したという声をたまに見かけます。入ったまま何も受けずに課金だけが続いたとか、1講座しか使わなかったとか。その後悔は理解できます。
3年間Plusを使い続けてきた立場から言うと、意味があるかどうかは使い方次第で変わります。この記事では、元が取れない人の条件と取れる人の条件を分けて書いた上で、3年使ってきた実感も含めてまとめます。
筆者について
・地方国立大学出身。
・Corporate Financeに詳しいです。
・現在、日系投資事業会社にて経営企画・IR業務に従事。
・IELTS 6.5(今年中に7.0取得を目標に学習中)。
・CFA Level 1保有。Coursera歴3年、累計受講講座数20以上。
・Coursera Plusを使って、金融・テクノロジー分野を中心に継続的に学習しています( ´∀` )。
Plusが意味ない人
まず向いていない人から書きてみたいと思います。
それは、受けたい講座が1本だけ決まっていて、それ以外に使うつもりがない場合です。
Plusは年額$399(約6万円前後)、月額は$59です。1講座だけを取るなら、月額プランを1〜2ヶ月だけ使って修了させる方が安くつきます。たとえば、Google Data Analytics認定証を集中して3ヶ月で終わらせれば月額$59×3で$177。年間プランより明らかに安いです。
続けて学習する習慣がまだ自分に根付いていない場合も向いていません。サブスクリプション全般に言えることですが、使わなければそのまま消える費用です。Plusに入れば学習が続くようになる、という期待は持たない方がいいです。先に月額プランで1〜2講座完了させて、続けられる確信が持てた時点で年間に切り替える。その順番の方が失敗が少ないと思っています。
修了証を転職・就活の武器にしたいという目的が第一の場合も少し考えた方がいいです。別の記事でも書きましたが、日本の伝統的な採用市場ではCourseraの修了証の認知度はまだ高くありません。Plusに入って修了証を積み上げることに力を入れるより、業界固有の資格や実務経験を積む方が直接的な効果を期待できます。
元が取れる数字の計算
複数の講座を受ける前提があるなら、Plusの方が費用対効果は高くなります。
Google Data Analytics認定証は修了まで平均6ヶ月とされており、月額$49で換算すると約$294かかります。Google IT Support認定証も同様です。この2本を取ろうとすると$588。Plusの年額$399を超えます。
個別購入の場合、Google、IBM、Meta、CFA協会などが提供する専門講座は$49/月のサブスクリプション以外に単体購入も可能ですが、1コース当たり$50〜$200程度になることもあります。日本円換算でGoogleが提供するような有名な講座は1万円前後になることがあります。
私が3年間Plusで受けてきた講座のジャンルは大きく分けて3つです。
1 金融・Corporate Finance系(CFA協会、Yale大学のFinancial Markets等)
2 テクノロジー系(Google AI Essentials、DeepLearning.AIの講座等)
3 英語・ビジネス系です。
これらを個別に購入していたらと思うと、費用は大きく変わっていました。
ただし繰り返しになりますが、これは実際に受け続けた場合の話です。登録して放置すれば当然元は取れません。
私がPlusを3年使い続けている理由
最初の3ヶ月は月額プランで使いました。続くかどうか確認してから年間に切り替えるつもりだったからです。3ヶ月で5講座受けて、続けることを決めて年間プランに移行しました。
続けてきた理由は3つあります。
1 英語力の維持
英語の講義を毎週聴く習慣が自然につきます。IELTSの学習として別途コンテンツを用意する必要がなくなりました。専門知識を英語で吸収する習慣が、リスニング力とビジネス英語の語彙に直接効いています。ネイティブの講師が専門用語をどういう文脈で使うかを繰り返し聴くことで、英語と知識が同時に積み上がる感覚があります。
2 金融・テクノロジーの国際共通言語を積み上げられる
経営企画・IRの業務で外国人投資家や海外の取引先と話す機会があります。CFAの学習と並行してCourseraのFinancial Markets(Yale大学、Robert Shiller教授担当)やCorporate Finance系の講座を受けることで、教科書の知識が実際の文脈の中に置かれる感覚を得られました。AIに関してもGoogle AI EssentialsやAI For Everyoneを受けたことで、テクノロジー側の人間との会話に入れるようになったと感じています。
3 学習の記録が積み上がる
3年で20講座以上の記録は、面接や社内での会話で具体的に語れる素材になります。何を学んでいるかが問われる場面で、引き出しが増えました。修了証よりも、学んできたことを話せることの方が価値があると思っています。
Plusに入って後悔しなかった理由を一言で言うなら、目的が修了証の取得ではなかったことだと思います。英語力、国際基準の知識、習慣の継続、この3つが目的で、修了証はその副産物です。目的が自分の中で明確だったから続いた、という感覚があります。
Plusの現在の料金と注意点
Plusは月額$59、年額$399です(2026年5月時点)。年額に切り替えると月換算で約$33になり、月額プランを12ヶ月続けた場合の$708と比較すると約43%の節約になります。年額プランには14日間の返金保証があります。
毎年11月頃のブラックフライデー時期に40%前後の割引セールを実施することがあります。2024年・2025年ともに年額が$239前後まで下がりました。急がないなら、このタイミングを狙うのも合理的な選択です。
注意点として、PlusはCourseraのすべての講座を対象としているわけではありません。大学院の学位プログラムや一部の特定資格はPlusの対象外です。受けたい講座がある場合は事前に対象かどうか確認することをすすめます。
AIが知識をコモディティ化する時代に、なぜ学ぶか
AIの進化によって、情報や知識を持っていること自体の価値は下がり続けます。調べればわかること、AIに聞けばわかることが増える中で、修了証を集めること自体には以前より意味がなくなってきています。
ただ、それとは別の動きがあると思っています。誰もが同じ情報にアクセスできる時代だからこそ、その情報をどう組み合わせて判断するか、どんな問いを立てるかという人間の思考の質が問われるようになる。金融の知識があってテクノロジーも理解している、ビジネスもわかってデータも読める、そういう複数領域の掛け算が、AIには代替しにくい人間の価値になっていくのではないかと考えています。
一つの専門性だけで生き残ることが難しくなる中で、幅広く学び続けることの意味は上がっていきます。Courseraをそのための環境として使うなら、Plusは費用に見合います。修了証のためでも転職のためでもなく、思考の幅を継続的に広げるためという目的があれば、月に数千円は安い投資だと感じています。
まとめ
1講座だけ受けたい、継続に自信がないという人には向いていません。月額で試して、続けられると判断したら年間に切り替える。それが一番リスクが少ないやり方です。
複数の講座を受け続ける前提があり、英語でのインプットや国際基準の知識習得という目的が明確な人には、年間プランはコスパが高い選択肢です。私の場合は3年でその判断は間違っていなかったと思っています。
まず7日間の無料トライアルで試して、自分の使い方に合うか確かめてから判断するのが一番です。
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